【令和6年8月SBT認定取得】ナミックス株式会社の脱炭素の取組をご紹介します


【ヒアリング担当者】経営企画室・佐藤 亜由子 さま

【訪問日】令和6年1月下旬


ナミックス株式会社HP 温室効果ガス排出量削減目標がSBTイニシアチブの認定を取得しました



電子部品用導電・絶縁材料の研究・開発、製造、販売を行う電子部品材料メーカーのナミックス株式会社にお邪魔して、脱炭素の取組について話を伺いました。

2022年7月に完成した本社屋は、ZEB Ready※の基準を満たした建物なんですよ。
自然採光の活用や高効率空調システムの導入、新潟の寒い冬に対応した高断熱外装で省エネを実現しています。また、太陽光パネルも50kWほどですが、設置しています。これからもっと増やしていく予定です。

当社は「創造と革新によりすべての人の幸福と自然の繁栄を実現する」を企業理念としており、これまでも環境には配慮していました。加速するきっかけは2015年のCOP21でパリ協定が採択されたことです。パリ協定を受け、各国でCO2排出実質ゼロの削減目標が決まったことは大きいです。ヨーロッパを含め海外のお客様が多いので、やはり先進的な海外の動きには敏感にならざるを得ません。海外のお客様からの脱炭素化の要請は、ここ1、2年でさらに高まっています。

まさに、サプライチェーン全体で取り組んでいます。「サプライチェーン」には、原材料を供給する企業から消費者に近い企業まで多数います。製造工程の始めの方にいる企業ほど「必要なのは分かるけど何をすればいいの?」と頭を悩ませているのが現状です。
当社はサプライチェーンの真ん中あたりにいるので、顧客からは排出量の報告を求められますし、サプライヤーには報告をお願いしています。課題は多いですが、お互いに協力しながら取り組み始めたところです。

一番は、お客様の信頼を引き続き得られていることです。日本国内では、まだ取組を厳しく求められることは少ないですが、海外のお客様にとって「脱炭素は取り組んで当たり前」という感覚なので、合格ラインに立てて安心しています。

実はそこはあまり課題になりませんでした。初期投資は確かに必要ですが、算定してみると省エネや再エネの導入に関する設備費などは、10年以内に回収できる見込みになっています。

また、県内銀行のサステナビリティ・リンク・ローン(以下、SLL※)を活用できたことが大きいです。当社はSLLにおけるサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下、SPTs)として自社の温室効果ガス排出量を2030年度末までに46%削減することとしています。SPTsの実現に向けて、SLLを今後の事業戦略の策定や新たな省エネ・再エネ設備の導入の資金に充てる予定です。
SPTsをサイエンス・ベースド・ターゲット(以下、SBT※)の目標レベルに合わせて設定したこともあり、SBT認定を申請する予定ですよ。

身近なところでは、太陽光パネルをもっと有効に活用したいと思っています。蓄電池を導入したり、電気自動車をもっと増やして充電したり。特に、トラックを電気自動車にできたらいいですね。
それから、今後はサプライヤーの皆さまに、温室効果ガスの排出量の算出のご支援をしていきたいと考えています。サプライチェーン全体の底上げに繋がればと思っています。

地元企業として、脱炭素の面でも地域に貢献していきたいです。ただ、一つの企業でプロジェクトに取り組んだり、ムーブメントを起こしたりするのは難しいと感じています。そのため、複数の企業が技術を持ち寄って、何かをやってみたいなと思っています。機会があればぜひ一緒に取り組みましょう!

※ZEB Ready:外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、一次エネルギー消費量を省エネで50%以上削減し、創エネを含めると75%未満削減を満たした建築物

※SLL:企業が設定したSDGsやESGに関連する目標(SPTs)の達成度に応じて適用金利などが変動する融資商品のこと。

※SBT:パリ協定が求める⽔準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減⽬標のこと。SBTでは、サプライチェーン全体での排出量の削減が求められる。運営機関による認定制度が設けられている。

サプライチェーン排出量についてはこちら
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/estimate.html

SBTについてはこちら
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/targets.html

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